友人の著書

 ロスアンゼルスに20年駐在しアメリカに豆腐という食べ物を普及させた友人が現地会社の社長を若手に譲り顧問になったのを機会にこれまでの体験をまとめて本にして光文社から出版した。本の名前は「豆腐バカ 世界に挑む」。彼らしい名前の付け方である。内容は肩の凝らない読みやすいもので、日本の乳業会社が開発した無菌包装パックの豆腐が日本の豆腐屋さんが潰れるという理由で法律が出来、日本で売れないため、辞令1枚アメリカに単身乗り込み苦節20年アメリカ人に豆腐を食べて貰うまでの話であるが失敗談も多くアメリカに駐在し物を売った経験のある者としては涙ぐましい努力に共感できるものがある。駐在した85年当時はアメリカ人の一番嫌いな食べ物は豆腐とUSA Todayに載っていた。SUSHIもまだアメリカ人にはそれほど人気はなかった。10年間は伸びないで苦戦。クリントンが豆腐をダイエットに使ったり、FDA心筋梗塞防止に効果があると認めてから追い風が吹いてきたと言う。本社も忍耐強く本人も頑張った。肩を張らず、飾らない人柄もお客さんの信用を得たと思う。さらっと軽妙に書かれているがアメリカやその他の国に駐在し仕事をする人には参考になる1冊だ。ここには最近失われつつある駐在員魂がある。読み終わった後、孫たちと写真を撮った。